2017年の作品である。「鎌倉物語」は「まんがタウン」に連載されている西岸良平の漫画の映画化である。
出演は鎌倉に住む作家一色正和役に堺雅人、その妻一色亜紀子役に高畑充希、出版社に勤める本田健一役に堤真一、本田の妻本田里子役に市川実日子、一色家の家政婦大河原キン役に中村玉緒。死神役に安藤サクラ、ご近所に住む瀬戸優子役に吉行和子、優子の夫役に橋爪功、正和の父一色宏太郎役に三浦友和、母一色絵美子役に鶴田真由、小料理屋の女将役に薬師丸ひろ子、刑事役に要潤が出ている。
「鎌倉物語」はミステリー作家の一色正和が出版社で自分の担当だった亜紀子と結婚し新婚旅行から鎌倉の自宅に車で帰ってくるところから始まります。
亜紀子が正和と玄関にいると何かが自分たちの前を横切ります、亜紀子は「今のは何」と言うと正和は「ただの河童だろ」「ここは鎌倉だから河童は普通にいる」と答え亜紀子を驚かせます。
正和の趣味は鉄道模型や熱帯魚飼育や骨董品収集など多趣味である。凄い量の鉄道模型や妖怪の掛け軸などいろいろ物置に有ります。
正和の留守の時に家政婦大河原キンが訪ねて来るのですが正和の祖父の代から居て80代ということですが、ご主人が日露戦争の時に亡くなっていますのでどう考えても100才を超えていますので計算が合いません。
正和と亜紀子は鎌倉にある魔物の市場で瀬戸優子という老婦人に会います、優子は「魔物専門の物だけは気をつけて」と言われたにも関わらず、「魔界松茸」を買ってしまい食べて大変なところを家政婦のキンが助けます。
このキンの役を中村玉緒がコミカルに演じています。
ミステリー作家の正和は鎌倉署の心霊捜査課の顧問になっていて刑事が訪ねてきます、そして警察で被害者を降霊して誰に殺されたかを訪ねています。こんなことを実際に科学捜査でなく心霊捜査を警察はしているのでしょうか。
薬師丸ひろ子が演じる小料理屋の女将が「最近は魔物の方にもひいきにしていただいている」と言うシーンが面白い、小料理屋に人間以外の魔物がお客として来ています。
江ノ電には現世から黄泉の国への電車が出ていることがわかります、こんな電車があったら乗ってみたいものです。出発時間は丑の時です。
正和の出版社で担当の本田が病に侵され死ぬ間際に、正和は「鎌倉ではよんどころない事情が有れば幽霊申請が通ると死後も家族と過ごせる」話します、幽霊申請は初めて聞きました。
本田は死んで、何故か「カエル」の姿で残された家族を見守ります。正和は「生前ご主人に世話になったものです」と書き、お金を渡します。
家政婦のキンがある時、「貧乏神」を見つけます。亜紀子は親切に食事を出してもてなします、貧乏神をもてなすなんて考えられません。
亜紀子は「私は私のせいで先生の寿命が短くなるのは耐えられません、ですから黄泉の国に行こうと思います、もしも生まれ変わりがあるとしたら先生の奥さんになりたい」と言うシーンが感動します。
この「鎌倉物語」は夫婦愛を描いた物語であると思います、自分が死んでも家族の事を案じている本田やお互いを思い合っている正和と亜紀子の愛情の深さが良く出ています。 河童とか魔物が出て来たり、江ノ電が黄泉の国と繋がっていたりして発想がとても面白い作品です。
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