「バースデーカード」は2016年10月22日に公開された作品で吉田康弘の小説がもとになっています。
この物語は紀子が10才の誕生日から20才になるまで母から届くバースデーカードのお話です。
出演は鈴木紀子役にNHKドラマ「あまちゃん」「ツナグ」の橋本愛、4才の鈴木紀子役に新津ちせ、小学生の鈴木紀子役に篠川桃音、中学生の鈴木紀子役に中村ひなの、母鈴木芳恵役にNHK大河ドラマ「篤姫」の宮崎あおい、父鈴木宗一郎役にユースケ・サンタマリア、弟鈴木正男役に須賀健太、少年時代の鈴木正男役に星流と小野寺永遠、母鈴木芳恵の友人役に「ユリゴコロ」「おもてなし」の木村多江、他に谷原章介、洞口依子が出ています。
あらすじ
小さい頃の紀子はいつもひとりで引っ込み思案な女の子でした、そして紀子は本を読むのが好きで、クイズがとっても得意で学校でクイズ大会に出ることになります。
その後母が入院した時もテレビ番組「アタック25」を見ています、紀子のクイズが好きなのは母の影響であることがわかります。母親はドンドン正解していきます。物語の最後に何と紀子は「アタック25」に出場します。
死期が迫った母は紀子の10才のときから「バースデーカード」を渡すことを考えます。
「11才のバースデーカード」
もうなくなっているので、「そばにいてあげられなくてごめんなさい」とあやまっています、そして「退屈な人が割引セールで勝ったものは何」とクイズを出します。
「12才のバースデーカード」
チョコマフィンの作り方が書いてあります。
「13才のバースデーカード」
学校をさぼってひとりで映画を見てみようと書いてあります。
「14才のバースデーカード」
口紅が入っていて初キッスの心得が書いてあります、口臭には気を使うこと、上目使いをこころがけること、イメージトレーニングは欠かさずに、素敵な相手を選ぶ事、チャンスが来たら迷わずに、など。
「17才のバースデーカード」
ママの同級生の石井沙織という女性を訪ねてタイムカプセルの回収を頼みます。ここで母が修学旅行をボイコットしたという意外な一面がわかります。修学旅行をボイコットしてピンレディーのコンサートに行っていたのです。
「19才のバースデーカード」
病院でバースデーカードを破って母が父とケンカしたことが書いてあります。
「20才のバースデーカード」
紀子が「希望通りの人生をおくれているか、満足できているか」の問いに答えています、「決して思い通りの人生ではないが、自分の人生に満足しています、パパと出会いあなたと正男が生まれてきた事、それだけで大満足です」
「おまけのバースデーカード」
弟の正男のバースデーカードの中に紀子が結婚が決まったら渡すように書いてあります。
感想
紀子の父宗一郎が出したクイズ「僕の周りには空気が有る、では君の周りには何が有る」はとても面白いクイズだと思いました。本が好きということは解らない事を調べようとするからとても良いことだと思います。
紀子は「物語には主人公と悪者と脇役がいるが悪者はいやだけど脇役でいい」というシーンがあるのですが、母親の芳恵は「ノンちゃん、物語はひとつじゃない、たくさんある、その分だけ主人公が必要なの、ノンちゃんの人生ではノンちゃんだけが主人公なの」といいきかせるところが素敵です。それでも紀子は「やっぱり脇役でいい」と母に話します、あまり目立ちたくない、目立つとイジメの対象になると感じているみたいです。
紀子は恋人と「アタック25」に出場する為勉強して何度もうけるのですが、最近はこのようなクイズ番組が無く残念です。
正男がある時自転車で放浪の旅に出ると言いだします、これは母親の「人生悩んだ時は旅に出るもよし」を実践して一人旅に出ます、このふたりはママの「バースデーカード」の内容を忠実に実践するのですが、兄弟それぞれ適格なアドバイスをしていると思います。
最後に人間死が近づいた時このようなバースデーカードを子供に残す行為が果たして出来るのだろうかと思ってしまいました。
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