この作品は2012年に出版された三谷幸喜の小説をもとに作られ、公開は2013年11月9日である。尚、映画観客動員ランキングで1位となっています。
配役は柴田勝家に役所広司、羽柴秀吉に大泉洋、丹羽長秀に小日向文世、池田恒興に佐藤浩市、織田信勝に妻夫木聡、前田利家に浅野忠信、黒田官兵衛に寺島進、前田玄以にでんでん、堀秀政に松山ケンイチ、織田信包に伊勢谷友介、お市の方に鈴木京香、ねねに中谷美紀、松姫に剛力彩芽、なかに戸田恵子、と豪華な顔ぶれである。
「清須会議」は歴史映画であります。女性は男性よりも歴史に興味がありませんが、今回の作品は戦のシーンは少なく、私はコメディーではないかと思います。
歴史をご存知ない方もみえるので、「清須会議」に至るまでをお話いたします。尾張の武将織田信長は天下統一を目指し、駿河の今川義元の首を打ち取り着々と領土を広げ、信長の妹のお市の方が嫁いだ近江の浅井長政も謀反のため亡ぼしてしまう、その時信長の命を受け向かったのが秀吉で、お市の方の夫と嫡男の万福丸を殺された。お市の方はこの時の秀吉に対する恨みの為に清須会議で織田家の今後を誰が担うかについても秀吉ではなく柴田勝家を推すことになる。いずれお市の方は柴田勝家に嫁ぐことになるが、秀吉がもっとも嫌がる嫁ぎ先に嫁ぎますが誰かの庇護が必要なため致し方ありません。
秀吉は尾張中村の百姓の出で草履取りからはじめ、羽柴秀吉の名前の時は先輩の柴田勝家と丹羽長秀より一字ずつもらって先輩たちに教えを請いたいという意味があるのではないかと思われる。
羽柴秀吉役の大泉洋と妻のねね役の中谷美紀の演技が素晴らしいと思います。ふたりの名古屋弁をよく観察してください。ねねは夫の秀吉の為に秀吉が清須会議で味方をしてくれるように接待する時、セクシーな踊りをしたりしてもてなします。
秀吉は池田恒興に味方するように領地をエサに何度も頼みます、池田恒興は柴田勝家とのあいだで心が揺れます、この恒興を佐藤浩市がうまく演じています、流石に三国連太郎の息子であります。
秀吉とねねは人の心を掴むことに長けています、丹羽長秀に対しても味方するように領地をエサに頼みます。人の上に立つということは現代の世にも通じることをすべきだと思います、秀吉は良い部下にも恵まれました、人望というか好かれる性格だということです。
秀吉は清須会議で上手く立ち回ります、跡目を幼い三法師を推し、「織田家の跡目を決める評定であり、天下人を決める評定ではない」と屁理屈をいいだします。これは屁理屈というよりも頭のよさをほめるべきことです。
秀吉は三法師を連れて他の武将たちの前に登場し、皆が三法師に対して頭を下げるということは秀吉に対して頭を下げるということになるのでした。これは幼い三法師に好かれた秀吉だからできたことです。
秀吉を推した池田恒興が「天は俺たちに天下を治める力をあたえなかったが天下人を見抜く目を与えた、しがみついていき、この世は生き残った者が勝ちだ」といいことを言います。
人の上にに立てないなら上手く世渡りをすることということです、これは現代に通じます。
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