2012年に公開された直木賞作家辻村深月の小説の映画化である。
配役は主役の渋谷歩美役にNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で人気者になった松坂桃季、祖母の渋谷アイ子役に樹木希林、畠田靖彦役に遠藤憲一、畠田ツル役に八千草薫、土屋功一役にTBSドラマ「ROOKIES」で有名な佐藤竜太、日向キラリ役に桐谷美玲、嵐美砂役に「あまちゃん」に出演した橋本愛、御園奈津役に大野いとが出演している。
この映画を見終わって最初に思ったのは小説の映画化であるため小説内容を約2時間の中に入れて説明するのは無理があるのではないかと思えてくるところです。
原作を読むと映画で説明されてない部分が見えてくると思われます。
この物語は恋愛ドラマでもなくコメディーでもなくスポーツ根性ものでもなくアクションを扱っているわけでもなく今までにないタイプの映画です。
「たった一度だけ死んだ人と会わせてくれる案内人」ツナグの高校生の渋谷歩美が祖母の渋谷アイ子から引き継ぐ為に見習いをする内容です。
死者に会うのは青森県の恐山の「イタコ」を通じて日本では可能ですが、今回はアイ子が鏡を使って死者と交信して、その仲介役を歩美が勤め、会う場所はホテルで会いたい人と会えるのはホテルで朝までというルールである。
この映画は小説の短編小説の中から三つのストーリーと最後に自分の両親の死の真相で成り立っています。 お話しは歩美の視点で進んでいきます。
疑われている歩美は「ボランティアのようなもので報酬は頂いていません」と言います。
この映画では歩美と祖母のアイ子とふたりで生活していて経済的な面が見えてきません、この「ツナグ」は報酬を頂いているならわかるのですが、両親は二人とも他界して祖母と二人暮らしです、話を戻しますが靖彦はホテルで死んだ母親に会えて感謝して、お金を払っていないので、「困ったことがあったらいつでも連絡してくれ」と名刺をさしだします
。最初に詐欺師と勘違いをして、横柄な態度をしましたが態度が変わりました、人に親切にして見返りを求めていないため、将来困ったとき助けて頂ける可能性があります。
たぶん、靖彦は歩美とこの後も会うのではないかと想像してしまいます。 二つ目は失踪した恋人キラリに会いたいと願う土屋功一のお話しです7年間忘れられず思い続ける一途な男性のお話しで、功一は約束のホテルに現れずハラハラさせられましたが、何とか歩美が功一を見つけ死んだキラリに会えた感動のお話しです、合コンで女の子に連絡先をおしえても先に進めない状況も変わりそうです。
三つ目は歩美と同じ高校に通う嵐美砂と同級生の御園奈津のお話しです、二人は演劇部に所属していて、主役の座を巡って二人が張り合います、いつも自転車で通学しているのですが、嵐は御園が「死ねば主役が自分に回ってくる」と思い、自分が通った後に寒い時期なので「凍るのでは」と危惧していた場所に水をまいてしまいます.
自分が学校に着いた後御園の交通事故死の知らせを聞くことになります。ホテルで嵐は御園に会うが「殺そうとした」と泣くばかりです。人の死を願ってはいけません、この三つのお話しの中で一番泣けてきます
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